終わりではなく、果てに在るもの

 エッジの効いたヘヴィ、時に甘く奮え立つメロディ、ストイックであり鷹揚でもあるサウンド・アプローチ。DOESの3rdアルバムは、後に跡に、深く刻み残る。
 ここに在るのは堅いだけのロックではない。貪欲にリズムを食らい、大胆にビートへ跳ねた、鮮やかなリアル。アルバムに貫かれる世界観は、精神的な風景としてのロードムービーであり引き込む力が圧倒的だ。その証拠に「曇天」にしろ「陽はまた昇る」にしろ、シングルで先にあった曲達がアルバムの中で本当の意味を持って輝いてる。特にラストに置かれた「世界の果て」。シングルではともするとロマンティック過ぎるきらいがあったが、アルバムでは全てを繋ぐ曲として大きな存在感を示している。ごてごてと重ね積み上げただけの脆い世界とは対照的な、衒いの無い、悲しみと背中合わせの強さが息づいている。
 海と空の境目すら曖昧なブルー・グレーに包まれて、昨日からの頭痛が止まなかったとしても、僕はこの音を泳ぎ続けるだろう。何時か辿り着く場所を信じているから。繰り返し繰り返し、だけど決して同じではない、光の螺旋を昇っていくように。

The World’s Edge(初回生産限定盤)(DVD付)

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