ユニコーン@さいたまスーパーアリーナ

 とにかく辿り着くまでにアクシテント続出。体調はまあある程度わかってたので対応できたが、まさか埼京線宇都宮線と2本続けて急病人搬送で止まるとは。余裕持って出たものの、間に合わないかと焦る焦る。果たしてこれは素晴らしいライブへの逆説的予兆だった。楽しい、真の意味で楽しいと思えた数少ないライブだったのだよ、ユニコーン
 受付でお願いしていたチケットを受け取って、席についてみるとPAゾーンの真後ろブロック。つまりアリーナの真ん中の真ん中あたり。個人的にはベスト・ポジション。かつて「一度最前列で観たいなー」と言ったら「それは止めろ」と民生くんに言われたしな。ちょうどオレが入ったあたりから、SEは清志郎さん。曲が終わる度に拍手が起こる。みんなそういう気持ちなんだよな。何も言わなくても伝わる。音楽、ロックです。
 さてライブ。横須賀から2ヶ月経って、かなりバージョン・アップしてた。何がって、コントが(苦笑)。Yさんから「MCとコントで長くなってる」とは聞かされてたが、演出含めてなんかもう本格的になってるのがねぇ。力の入れどころ、間違って…ないな、うん。ドリフ×やっさんな衣装も似合う似合う、ますます似合う。
 しかし阿部くん(髪!プラチナ・ブロンド!川西さんより凄っ!)はエロオヤジ全開。特効のキャノン砲をあんなものに例えるとは、さっすが氣志団のプロデューサー!でもその後がフリーダム過ぎ!客席に下りるのはいいとして、卓の上に乗って雄叫ぶとか、どーなん? おかげで目の前で暴れっぷり観られたけどさ。スタッフも本気で笑ってたよ。そしてそんな阿部くんを、何とかして触ろうとする客から先頭立って守るHさん…社長なのに…そこが素敵。そしてそしてステージの上から阿部くんに纏わりつく客を小学校の先生のように諭す奥田民生…オヤジ…そこが素敵。
 MCはむしろ横須賀の方がだらだら話してた気がする。今はもうペース掴んでるから、MC休憩(笑)はあんまりいらないのかも。困ったときのテッシーが一番困ってるって流れは相変わらずだけどね。
 音の話、してねーな。いやあの、アリーナのスケールを生かしまくった、ボトムが太くて厚くて熱い最高にカッコイイ、ユニコーンの音だった。5人の呼吸、音的にも精神的にも合ってるってことなんだろうな。頭2曲で明らかに違うのがわかった。民生くんの声、喉の状態も明らかに今がいいし。あらためて思ったけど、あの人は本当に届く歌を歌う人だと。リズムがあってピッチがあってメロがあって言葉があって、それを全部含んで飛び越えて、あれだけ大きい歌を歌えるロックな人はなかなかいないよ。昨日それをあらためて思った。だってさ、普通のバンドなら、阿部くんだって相当イケるんだよ。普通のバンドならさ。でも民生くんがいるからね。あの人は本当に凄い。と言ってもユニコーンだから、ちゃんと全員歌ってるんだけど。EBIくん(ちょっとだけ髪切って男前度UP)がSMA*におけるゴローちゃん的ポジションになってたような。客の反応として。
 曲は横須賀からかなり変わってた。わかり易いとこだと「ペケペケ」「おかしな二人」がなくなって「スターな男」「働く男」が入ったり。構成何パターンあるんだろ? ツアーの前半後半でも違うだろうし…ユニコーンなら毎日違ってもおかしくない、あれだけの規模のツアーだと演出上難しい部分もあるけど、彼らならやれちゃうだろうな。本当の意味でひとつとして同じステージはない、というのを。ま、これは未確認ですが。
 いやとにかく楽しかった。オレ、あんまりライブに楽しさを求めてないんだよね。そういう概念で観に行ってはいない。だけどユニコーンは素直に楽しかった。歌ったし体動いたし笑ったし切なくもなった。終演後、「スローバラード」に送られて出たスーパーアリーナ。外は寒く無かったよ。風がちょっと冷たい気がしたけど、全然寒くなかった。そういうこと、だ。